京都 琴(箏)だより (住井すゑさん)

harumi-20gen2009-08-12

95歳で 亡くなられた 作家の 「住井すゑ」さんの ことを テレビで 偶然 見ました。 住井すゑさんと いえば 「橋のない川」が 有名ですね。 私も 読んで 感動した 記憶が あります。 住井さんは 裕福な 家の 生まれでしたが 6歳の お正月、 学校に 新しい 白足袋、 新しい 下駄 を 履き 学校へ 行ったところ 数人の 友達が 裸足に 汚い いつも  履いている 下駄を 履いているのを 見て 幼い ながら 被差別 部落の 貧しさの 衝撃を 受けた と いいます。 19歳の 時に 結婚し、 田舎に 住みながら 4人の 子供を 育てて いましたが 可愛がって いた 長男を 戦争に 取られて しまいます。 寒い 所で 馬の 世話係を させられて いた 息子が 馬を 洗ってやる時に 自分の 靴下を いつも ぬらして いて 足が 冷たくて たまらないので 「母さん 靴下を 送って くれないか」と 住井さんに 頼みの 手紙を 出しました。 当時は 靴下など ありませんでした ので 住井さんは ハンモックを 解いて 5足の 靴下を 編み 息子へ 送って やります。 ところが 上等平に 見つかり 「これは 私物だから 没収する」と 取られて しまいます。 怒った 住井さんは 「ハンモックを 解いて 母が 送った 靴下を 私物と 言うなら 今、 何千 もの 兵士が お腹に 巻いている 千人針の さらしも 皆、 私物では ないか。 それも 禁止せよ」と 幹部に 抗議の 手紙を 送ったと いいます。 「そんな ことを して 怖くなかったの ですか?」と インタビューで 問われ、 「世の中で どんなに 偉い人が したことでも 不条理は 不条理で ある。 不条理に おいては 皆、 平等に 抗議しなければ いけないんです」と 答えて られました。 6歳の 童女で あった時に、 世の中の 貧富の 差を 見て 不条理を 告発しなければ いけないんだ と 思った その 気持ちを ずっと 大切に してきたし、 抗議 しなければ 幼い 自分の 思いに そむく事に なる と 強く 思って 生きてきた と 話されて いました。 凄い 方ですね。 「橋のない川」を 書かれた 時は もう 50も 半ばでしたが ずっと 自分の 思いを 大切に しながら 作家 活動を されました。 今は 忘れていた 住井さんの 声を 聞き こういう 凛とした 方も いらしたんだな と 考えさせ られました。