京都 琴(箏)演奏だより (京都 島原輪違屋さんで)


昨日はお世話になっております太夫さんの お座敷がありましたので島原の輪違屋さんへ行きました。 5年前に太夫さんがご病気になられましたので久し振りの輪違屋さんです。 仲良くさせて頂いていた引き舟さんが(太夫さんのお世話をされている方のことです)先日亡くなられ もうお会い出来ないと思うと寂しい限りでしたが同い年の86歳の女将さんは お元気そうでお孫さんのお話しやら楽しいお話しを伺いました。 ご病気にもなられたそうですが今も現役でお客様を2階の「傘の間」に案内されたり飾ってある素晴しい「打ち掛け」の説明をなさったりと接客されてられました。 「こうしてお人が来てくれはってお仕事をしていることが元気でいなあかんという心の糧どすなあ」と言われていました。私も女将さんがお元気で居て下さる事が何より嬉しく思います。少し前まではタッタと階段を駆け上って?られましたのでお客様曰く「重要文化材のこの輪違屋の店より何より女将さんが一番の文化財ですなあ」と感心されてられたくらいです。長くこちらへ寄せて頂いておりますが枝垂れ柳の島原の大門をくぐった時から何年たっても変わらない京都らしい輪違屋さんは独特の雰囲気が今も残っています。 変わったと言えばお店の前の道路が特別に整備されて今はここでは道中が出来なくなってしまったそうです。少し先に歌舞練場があり(今はデイサービスセンターになっています)昔は傘持ちさんに太夫さんが傘をさして貰いながら内八文字に練り歩かれた道中が当たり前でしたが道路法などの決まりで それもしてはいけなくなりました。風情がなくなっていきますね。本当に昔からある建物ですのでメンテナンスも大変ですが どうか日本の文化が残り続けられますようにと祈ります。