ボリビアの 「エケコ人形」


南米アンデス山脈の ボリビアからペルーに かけての 一帯に、先住民に 伝わる願掛けの 「エケコ人形」と いうものが あります。 福の神といわれる この 人形、 高さは 10から30cm程の 陶器製、毛糸の 帽子、背広で ネクタイ姿。 口には 1cmほどの たばこを 吸わせる 穴が あいており 火曜と 金曜の夜に 吸わせると 願いが かなう と されています。 かつては 無病息災や 家内安全が 祈願対象でしたが 今は 違います。 エケコに ぶらさげられる お供え物は 様々で 車や 建築資材、穀物の 袋など 思いつく限りの ありと あらえる模型が 並びます。 一つ 150えんから 280えん ほどですが 欲しいものの 模型を ぶらさげると 願いが かなうと いいます。 家の 模型には 権利書が ついていたり、 大学の 学部ごとの 卒業証書が あったりと 凝っています。 1月下旬、普段は のどかな 大統領府前の 広場に ぎっしりと 模型を 売る 露店が 並び 人々で ごったがえします。 なかでも 一番人気は、ドルや ユーロなどの 外貨紙幣の 札束です。縮小コピーされ、 束ねられます。 パスポートや ビザの ミニチュアを 買い求める人も 絶えません。 背景には 欧米などで 働く家族からの 送金が 多くの 庶民の 生計を 支えている 現実が あるのです。