蛍の季節


梅雨に 入り、雨の 多い日々です。 清流では 蛍が 見られる頃ですが 蛍が 日本の 書物の中で 書かれているのは 奈良時代の 「日本書記」から だそうです。 平安時代には 多くの 和歌や 書物に 出てくるように なります。 「 物思えば 沢の 蛍も 我が身より あくがれいづる 魂かとぞみる (後拾遺集 和泉式部)」 恋に 悩む 和泉式部が、貴船神社に 参拝に 訪れ 詠んだ歌です。 紫式部の 「源氏物語」の 中にも 「声はせで 身をのみこがす 蛍こそ いふよりまさる 思ひなるらめ」 という 蛍の歌が ありますし、 清少納言も 「枕草子」で 「夏は 夜。月の頃は さらなり。 闇もなほ、蛍の 多く飛びちがいたる。 又 唯一つ二つなど、 ほのかに うち光りて ゆくも をかし」と 記しています。 平安時代の 人達に とって 蛍は 夏の 風物詩として 親しみ、 ほのかな 光を 放ちながら 短い 命を 燃やす姿を 多くの 恋の 歌の 題材に して 風情を 感じて いたのですね。